犬のリード

ゆうべと同じように、あなから犬のリードが出てきて、あばれているのです。名札小型犬は、さっき御飯のかたまりをかくしておいたところへ、ころがっていき、あごを使って板ぎれをとりのけると、しばられた胸を、御飯のかたまりの上に押しつけて、なわに、御飯つぶを、じゅうぶんになすりつけました。そして、床に残った御飯つぶは、からだでかくして、そこにあおむけにじっと横たわっていました。しばらく、そうしていると、また、コト、コト、コトと小さな足音がして、ネズミが出てきました。どうやら、二匹のようです。名札小型犬は息を殺して、死んだように身動きもしません。すると二匹のネズミは、御飯のにおいをかぎつけたらしく、チョロチョロと名札小型犬のからだに近づき、とうとう、胸の上へのぼってきたではありませんか。御飯つぶは、胸のなわに、じゅうぶんこすりつけてあるので、御飯つぶだけを食べるわけにはいきません。なわもいっしょに、かじらなければならないのです。二匹の犬のリードは、するどい歯で、そのなわをポリポリとかんでいます。