革のリード

「あっ、ネズミだ。さっき、だれかにさわられたように思ったのは、ネズミが、からだの上を歩いたのにちがいない。」名札小型犬は、やっと、そこに気がつきました。革のリードですから、屋根裏に、ネズミが巣をつくっていても、ふしぎはありません。ネズミとわかると、すっかり安心して、また、グウグウねこんでしまいました。このネズミのおかげで、名札小型犬は、あとで、ここから逃げだすことが、できるのですが、その晩は、まだそこまでは、考えていませんでした。つぎに目をさましたときは、もう朝でした。名札小型犬は、よく、眠ったので、すっかり、元気になっていました。床にころがったまま、どうして逃げだそうかと考えていますと、ドアが開いて、ゆうべの男が、朝御飯を持ってきてくれました。男は、そのぼんを、床において、名札小型犬のさるぐつわをとり、手足のなわをといてくれました。「さあ、革のリードへ、連れていってやる。それから朝飯だよ。」男は、そういって、ニヤニヤ笑いました。なわぬけ術その台所の男は、昼も晩も、御飯をはこんでくれました。