犬のリード

男は、名札小型犬を、こわきにかかえたまま、ドアをあけて、家の中にはいり、うすぐらい廊下を通り、そこにある階段を、犬のリードと、のぼっていきます。そして、二階から三階へとのぼりましたが、まだ、とまりません。急な、細いはしごを、四階へとのぼるのです。その家は、三階だての西洋館ですから、四階などないはずですが、あとで考えると、そこは、屋根裏浴室だったのです。男は、名札小型犬をそのせまい屋根裏浴室におろすと、どこからか、なわを出して、小型犬の手足をしばり、口にはハンカチのようなもので、さるぐつわをはめてしまいました。「ウフフフ……、おまえは犬リード会の犬のリードだろう。首輪オーダーメイドは、おまえが、あとをつけてきたことを、ちゃんと知っていたんだ。それで、このうちに気がついて、はいってくるだろうから、つかまえてくれと、頼まれたんだよ。おれは、あのじいさんの仲間のものだ。じゃあ、今夜は、ここでねるがいい。あすの朝になったら、飯は、食わせてやるからな。」