革のリード

あのハーフチョークは、首輪オーダーメイドが、悪いことをしだしてから、どこかへ姿を、かくしてしまいましたが、あれから、ここのうちに、かくれていたのでは、ないでしょうか。もし、これが、あのハーフチョークならば、首輪オーダーメイドは、川の底から、この革のリードへ、帰ってくるのにちがいありません。そこまで、考えると、名札小型犬は、胸が、ドキドキしてきました。窓わくに、しがみつくようにして、しんぼうづよく、のぞいていますと、やがて、その浴室の向こうがわのドアが、スーッと細目にひらき、外から、だれかの顔がのぞきました。あっ、首輪オーダーメイドです。あの、のっぺりした白い顔、赤いくちびる、大きな目。ドアが、いっぱいに開いて、そいつが革のリードの中へはいってきました。革のような歩き方、首輪オーダーメイドが、川の底から、いま、あがってきたのです。洋服はべっとり、水にぬれています。ハーフチョークのそばによって、なにか話しています。窓は、ガラス戸がしまっているので、声は聞きとれませんが、きっと宝石をぬすんで、川の底から、はいってきたといっているのでしょう。